■ 第19回 健康診断を活かす ~知っておきたい「健康診断の基礎知識」その14~小澁 陽司 ■ |
|
今回も採血の検査項目の解説を離れ、今話題になっている医学用語についてご説明したいと思います。
今回は、「メタボリックシンドローム」。この名称、お聞き覚えのある方は大変多いと思います。あるいは、すでに心配されている方も多いのではありませんか。かくいう筆者も、メタボリックシンドロームの診断基準に抵触しそうな状態であり、自らの気を引き締めながら書き進めていくことにいたします…。
①メタボリックシンドロームとは?
内臓脂肪型肥満の人に、高脂血症・高血圧・高血糖といった生活習慣病が組み合わさり、動脈硬化性の病気(脳梗塞や心筋梗塞など)が発症する危険性が高くなって状態をメタボリックシンドロームといいます。
②メタボリックシンドロームはどのようにして診断する?
2005年に我が国の学会で発表された診断基準は、次のようになります。
A 内臓脂肪型肥満の人…ウエスト周囲が男性では85㎝以上、女性では90㎝以上の人。(Aは診断に必須の項目であり、加えて次のB~Dまでの3項目のうち、2項目以上に該当する人がメタボリックシンドロームと診断されます)
B 高脂血症のある人…血中の中性脂肪が150mg/dlかつ/またはHDLコレステロールが40mg/dl未満の人。
C 高血圧の人…最大血圧が130mmHg以上かつ/または最小血圧が85mmHg以上の人。
D 高血糖の人…空腹時の血糖値が110mg/dl以上の人。
③メタボリックシンドロームの治療法は?
もちろん、食事療法が基本となります。食事で摂る総カロリーを抑え、さらに運動療法を併用して内臓脂肪の改善を図ります。高脂血症・高血圧・高血糖に対し、薬を使った治療が必要なこともあります。また、血管に対して悪影響を及ぼすタバコも、禁煙してしまうのが理想的です。
以上、簡単に説明をしましたが、次回このコラムは再び検査項目の解説へと戻り、今回のメタボリックシンドロームと密接に関係している血液中の「脂質」について、何回かにわたってお話しすることにいたしましょう。
|
|
(C)2000 The
Soka Chamber of Commerce & Industry. All rights reserved.
E-mail:sokacci@sokacity.or.jp |